子どもは医者になった。
子どもの夢を応援する。一言でいうと簡単だけれど、難しかった。
その難しかったことを書き残しておこうと思う。
いつのころからか子どもは医者になりたいというようになった。
近くに病院がなく、公立の診療所があった。どこからか派遣されてきたドクター1人とおばちゃん看護師さん2人。そこに行くにも車がいる。小児科ならさらに遠い。幸い大きな病気をしない子だったので救われた。
中学生のころにその診療所が閉鎖した。赤字だったらしい。「診療所がなくなると不便ねえ。」という話をするようになったころ、子どもは「医者になりたい」と言うようになった。
こんな山奥で一体どうやって医者になれるの??まあ現実的ではないね。って感じで日々過ぎていった。その頃、地元の塾に通い始めて、塾の先生も応援してくださった。子どもは、受験可能な地元の公立高校の理系のクラスに行けば、夢も近づくと自分で考えたらしく、そこを目指した。そして合格した。
その理系クラスはツワモノ揃いで、子どもにとっても親にとっても、楽しくも苦しい日々だった。