いっしょに何度も「いないいないばあ」と言った。そのうち子どもは、「ばあ」というところで声をたてて笑うようになってきた。
「とらっく とらっく とらっく」「しょうぼうじどうしゃじぷた」は100回以上は読んだ。
寝る前に本をもってきて、「読んで」という。「本を読まないと眠れない。」というようになった。その通り、本を読み終わると同時に眠りについていた。たまには、私のほうが先に寝てしまい、子どもは枕元でゴソゴソしていることもあった。
「めっきらもっきらどんどん」のお話では「ちんぷくまんぷく あっぺらこのちんぴらこ」というくだりになると「じょんがらぴこたこめっきらもっきらどおんどん」と声をあわせる。
「ぐりとぐら」のシリーズでは「♪ぐりぐらぐりぐらぱぱーや♪」と歌いながら何冊も読んだ。
「12ひきのねずみ」シリーズでは絵の中の暖炉が「パチパチ」と音をはじかせて燃える様子や、とっくん、いっくんなどの動きを、ページをめくるごとに追って、楽しんだ。パンの焼けるにおいがこっちまで伝わってきそうだった。幸せな時間を過ごした。
「番ネズミのやかちゃん」も思い出深い本だ。「♫もしも小さな板切れの上においしいチーズがのっていたら、すぐにたべてはいけないよ。♪」という歌のフレーズが浮かぶ。毎晩こどもと一緒に歌った。もちろん曲をつけたのは私。
学校の観劇会で、「ばんねずみのやかちゃん」という劇が上演された日の夜「お母さんの歌とは全然違っていた。」と言われて笑ってしまった。
子どもが小さい時、近くの市で「子どもの本の学校」という講座があった。文化的な出来事は自分から求めないと出会えないこの地。小1時間離れたところで開催されるということで出かけてみた。
読み聞かせは心の貯金
と言われ、毎晩読み聞かせた。乳児から幼児を過ぎ小学生になってもしばらくは続いた。
昼間働いていたためか、これくらいだった。子どもに時間をさいたと言えるのは。
振り返ってみれば、私の心に楽しかった時の記憶が貯金されている。