この頃の私の子育ての目標は「家事力」をつけること。
家の横に農業用の用水路が流れている。 家の後ろは田んぼ。前は畑。 その途中に氏神さんのお宮もある。近くに一級河川の川が流れている。正真正銘のド田舎。我が家子どもたちは、朝から晩まで 家の横の用水路に沿った道を走りまわる。 そんな時代だった。
ただ、私にはこだわりがあり、子どもには性別にかかわらず家事力をつけさせたいという思いがあった 。自分のことは自分でできる。周りの人を助けることもできる。それぐらいのことができれば、一生、家庭を持っても持たなくても、生き延びるのではないか。そう考えていた。
幸い夫の母もその考えに賛成し協力してくれた。 夫は、農作業の忙しい母に代わり、高校時代には通学限界地域からの通学にもかかわらず、帰宅後自分で夕飯を作っていた。大学時代ももちろん四年間自炊。そのため家事能力が高く手際が良い。
結婚してからも、共働きのため、早く帰った方が台所に立つというのは自然なことだった。結婚した頃は、夫の母がまだ外の仕事をしていたので、自然に私か夫がご飯を作る、そういうことも多々あった。
どちらも押し付け合うことがなかったためにトラブルも少なく、夫をそのように育てた母には感謝しているし、自分の子どもにもそれぐらいの力をつけたいと考えた。
家族内の人間関係を良好に保つには、家事力は有効だ。
小学生になってまず最初にやったこと
①洗濯物を自分で片付けること 。 特に学校の給食エプロンセットは、日曜日の午後、自分で帽子エプロンマスクを確認して袋に入れランドセルの中に置く。自分で確認しておけば、忘れ物も減らせる。これは、夫の母から習った。確かにそうだ 。
②朝、水筒のお茶は自分で注ぎ入れる。前日、お茶を作って冷蔵庫で冷やしておく。それを、朝自分で冷蔵庫から出して水筒に入れる。ただ、それだけ。 これは必ずやらせていた。小さいことの繰り返し。
③毎週末に、靴と上靴をブラシで洗う。きれいにできなくてもいい。とにかく洗う。繰り返しやっていればだんだん上手になっていく。
大人がやれば早くて簡単にできることを、我慢してさせた。こちらも忍耐強くなった。